計画研究D01・平成24年度の研究の進捗と成果


(図1)量産したMCP-PMTの380 nm波長における量子効率測定値。横軸は納入日。2012年度以降、量子効率の高いMCP-PMTを安定して量産できるようになった。 (図2)キャプション

平成24年度においては、特に、名古屋大学において独自開発を進めている次世代粒子識別装置である「TOP Counter」の高輝度Bファクトリー実験への実装に向けて、実機用マイクロチャンネル内蔵型光電子増倍管(MCP-PMT)の量産を進め、生産された製品の性能検査、また磁場中での動作試験を詳細に行った。また、光電面の劣化(寿命)を改善する手法を確立した。TOPカウンターのLEPS実験への応用についても検討を進め、BファクトリーとLEPSの両実験の研究者が協力して、実機用MCP-PMTを搭載したTOPカウンタープロトタイプのビームテストをSPring-8において行った。Belle II 検出器のエンドキャプ部に設置される「エアロジェルRICH」検出器用のHAPD光検出器についても、コバルト照射施設を使用した耐放射線試験を繰り返して、放射線耐性を確認し、実機用HAPDの仕様確定を行った。また、Bファクトリーのみならず将来の高輝度実験に有用となる高速データリンクの開発を行った。

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Last updated 2014 Aug. 22nd