計画研究C01・平成25年度の研究の進捗と成果


(図1) GEMチェンバー位置分解能の入射角依存性。100mm角から300mm角のすべての サイズについて、要求性能である入射角0度から30度まで 100μmを達成。 (図2) 小型256chプリアンプボード量産型。

J-PARC 原子核素粒子実験施設において物理採択された実験E16およびGEM電子検出器や読み出し回路の開発状況について20件(うち招待講演7件) の国際会議・学会発表を行った。また、2本の査読つき論文を出版した。
GEM電子検出器本体の開発は終了し、トラッカーの量産にとりかかった。読み出し回路の開発は順調に進行中である。GEM電子検出器のうち、前段となるGEMトラッカーについて、電子ビームによるテストにより、200mmおよび300mm角PIGEMと量産型二次元読み出し基板についても必要性能を満たすことを確認した。トラッカーをスペクトロメーター内で支持するCFRP製支持枠試作品の重量負荷テストを終了し、量産型の設計を行った。トラッカーに使用するGEMと読み出し基板6台分の生産を行った。
中段となるHBD(ハドロンブラインド検出器)については同じく電子ビームにより量産型ガス容器と量産型300mm角PI-GEM3段を用いて光電子数を測定し、実験室における光電面の性能測定結果と無矛盾な結果が得られることを確認した。また、大型多層基板の工法を変更して平成23年度に製作したものよりも安価かつ不良品の発生を少なくできることを確認した。
読み出し回路については、GEMトラッカー最終段におけるトリガー読み出し用ASICの試作とテストを行い、性能が設計通りであることを確認、さらにその応用でHBD用トリガー読み出しASICの設計を行った。またGEM読み出し小型プリアンプボードの量産一号機を製作し、性能を確認した。

計画研究ページにもどる
Last updated 2014 Aug. 21st