計画研究D01・平成25年度の研究の進捗と成果


(図1)LEPSビームテストで得たTOPカウンターのチェレンコフリングイメージ。縦軸はチェレンコフ光の検出時間、横軸は検出したMCP-PMTのチャンネル(位置)。 (図2)シリカエアロジェル輻射体の大量生産サンプル。屈折率は1.045、サイズは18×18×2cm³。

平成25年度においては、特に、名古屋大学において独自開発を進めている次世代粒子識別装置である「TOPカウンター」の高輝度Bファクトリー実験への実装に向けて、実機用マイクロチャンネル内蔵型光電子増倍管(MCP-PMT)の量産を進め、生産された製品の性能検査と磁場中での動作試験を詳細に行った。Belle II実験で使用するTOPカウンターの最終デザインにもとづくプロトタイプ検出器のビームテストをSPring-8のLEPSビームラインで行い、明瞭なリングイメージと、ほぼ予想通りの速度分解能を得ることに成功した。さらに、量産検出器の性能チェックを行うための宇宙線テストベンチの製作を進めた。以上により、Belle II TOPカウンターの量産体制がほぼ整った。また、光電面の劣化(寿命)を改善する手法についても調査を進めた。
Belle II測定器のエンドキャップ部に設置する「エアロジェルRICH」検出器用のHAPD光検出器についても、コバルト照射施設を使用した耐放射線試験を繰り返して放射線耐性を確認し、実機用HAPDの仕様確定を行った。DESYにおいてビームテストを行い、ほぼ期待通りの性能を確認した。また、Bファクトリーのみならず将来の高輝度実験に有用となる高速データリンクの開発を行った。

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Last updated 2014 Aug. 22nd