名古屋大学N研ATLASグループ

ニュースアーカイブ

トップクォーク対生成断面積測定の論文が PLB にアクセプトされました

論文表紙

LHC ATLAS 実験の 2010 年のデータを解析して得られた結果であるトップクォーク対生成反応断面積測定の学術論文が Physics Letter B にアクセプトされました. 本測定に対して名古屋大学は博士課程学生の奥村恭幸君を中心に貢献しています.

Phys. Lett. B 707 (2012) 459–477

奥村恭幸君博士論文公聴会

下記の要領で、奥村恭幸君の博士学位申請のための公聴会が開催されました。LHC-ATLAS 実験でのトップクォーク対生成断面積測定の研究について発表し、学位審査に無事合格をしました。おめでとう ! 名古屋大学 LHC-ATLAS チームの初の博士号取得者です。

2011年12月13日: ヒッグス粒子探索のアップデート

ヒッグス粒子の質量に対する制限

ATLAS 実験とCMS 実験は ヒッグス 粒子探索を行った結果、従来の棄却領域を拡張し、また今後の解析のヒントといえる結果が得られたことを報告しました。
ヒッグス 粒子は、素粒子現象を非常に良く説明できる素粒子標準模型において唯一未発見な粒子で、長年にわたり探索が続けられている素粒子です。今年収集したデータの詳細な解析に続き、来年にはさらにデータを蓄積することでヒッグス 粒子の発見に向けて進んでいきます。

ここに、今回の ヒッグス 粒子探索のニュースをまとめました。

2011年10月30日: 2011年の陽子陽子衝突のデータ収集終了. 5fb-1 のデータ収集に成功 !

2011年のデータ収集量の推移

2011年の陽子・陽子衝突実験プログラムは、2011年10月30日をもって無事終了しました。 3月末の運転開始より、5fb-1 (5フェムトバーンインバース) の陽子陽子衝突データを収集しました。これは実に、340,000,000,000,000 回の陽子陽子衝突に相当する量です。データ収集量は目標の約 2 倍を数え、LHC 加速器及び ATLAS 検出器を高い性能で運転した成果といえます。左図は 2011 年の収集データ量の一日ごとの推移を示したものです。推移の傾きは、一日当たりのデータ収集量に対応し、データ収集効率 (速度) が 2011 年の運転中に大きく改善されていることが分かります。

この 2011 年に収集された膨大なデータを使ったデータ解析は現在 LHC-ATLAS 実験チームによって遂行中です。 新物理現象探索、標準模型の精密検証等の多くのデータ解析の最新結果が、順次報告されます。

LHC は 11月より鉛衝突のデータ収集を一カ月行い、12月に年末のメンテナンスに入り2012年の陽子陽子衝突実験プログラムに備えます。

関連記事 ATLAS News (英語)

終状態にタウレプトンを伴うトップクォーク対生成イベント

終状態にタウレプトンを伴うトップクォーク対生成事象のイベントディスプレイを紹介します。

終状態にタウレプトンを伴うトップクォーク対生成事象

まず、左上の絵をご覧ください。これは陽子陽子衝突地点を正面から見た絵です。 赤い線で書かれたのがミューオン、左下に見えるのがb-ジェット、右下に見えるのがタウジェット、右上に見えるのがもう一本のジェットで、終状態にタウを伴う事象に登場する主な粒子群が観測されているのがわかります。

次に、右下の絵をご覧ください。これは衝突点付近を拡大した図です。 左下に、水色で書かれた線がいくつか見えますが、これがb-ジェットに伴って放出された荷電粒子の飛跡を表しています。b-ジェットは他の粒子に比べて比較的寿命が長く、ある程度飛んでからジェットに崩壊することが知られています。その結果、この図のように、衝突点から有意に離れたところでジェットに崩壊していることが分かります。

名古屋大学のチームの高橋君が中心となってこのような事象の探索に貢献してきました。 詳しくは、こちら をご覧ください。

LHC-ATLAS 最新実験データ解析結果を公開中

名古屋大学の LHC-ATLAS チームが貢献する研究成果が、 ATLAS 実験の公式の結果として発表されています. 以下をご覧ください.

トップクォーク崩壊中のW偏極度測定結果
ミューオンとタウを終状態に含むトップクォーク対生成事象の観測
ダイレプトン終状態を用いたトップクォーク対生成測定結果

これら以外にも、多くの最新の実験結果が LHC-ATLAS より 発表されています. LHC-ATLASの研究結果速報をご覧ください.

2011年3月13日:2011年の陽子・陽子衝突実験を再開

2011年のイベントディスプレイ

2011年3月13日にLHC加速器とATLAS検出器は冬季のメンテナンスを終え、世界最高エネルギー7TeVでの陽子・陽子衝突実験を再開しました。加速器の調整も順調に進み3月25日には最高瞬間ルミノシティー2.5x1032cm-2s-1を記録し、昨年の最高記録を更新しました。 1回の衝突で衝突点が5個検出されるイベント(右図)も検出さるなど、データ収集は順調に進んでおりこれまでに昨年の約半分にあたる28 pb-1のデータ量を蓄積しました。
今年中に昨年の約50倍に相当するデータ量2.5 fb-1の取得を目指して実験を行っています。


Last-modified: 2012-02-23 (木) 09:42:40 (2120d)