名古屋大学N研ATLASグループ

Thin Gap Chamber (TGC)

検出器概要

図1の写真がTGCです。大きさは約2m^2程度で、畳1枚程度の大きさになります。TGCは、多線式比例計数管(Multi Wire Proportional Chamber:MWPC)と呼ばれる放射線検出器の一種で、内部に数百本の細いワイヤー(直径50ミクロン、人間の髪の毛がだいたい100ミクロン程度)が張られています(図2参照)。高電圧を印加した細いワイヤーの周りに、特殊なガス(CO2+n-Pentan = 55:45)を流して使用します。そこへ荷電粒子が通過するとCO2ガスが電離され電子とイオンに分かれ、電子がワイヤーへ、イオンがグランドに集まる事で電気信号として検出することが出来ます。イメージとしては、コンビニなどの軒先にある、青白い光を放ってぶら下がっている電撃殺虫器が似ていて、殺虫器に虫が入ると、高電圧が印加されているため放電が起こり、それにより虫が焼き殺されます。今の場合、虫が荷電粒子に相当します。このようにして、荷電粒子(ミューオン)の通過を検出します。 このような検出器を、計3600台製作し、円盤状に隙間なく配置することで、到来したミュー粒子を逃さず検出することを目指します。

TGCTGC断面図
図1. Thin Gap Chamber (TGC)図2. TGCの断面図と荷電粒子検出の原理

TGCを用いたミュー粒子トリガーシステムの構築

当研究室では、TGCシステムの建設、ならびにTGC用のデータ取得ソフトウエアの開発を行っております。 TGCは円盤を12分割した扇形のアルミ製のフレーム(図3)に順次設置され、エレクトロニクスの接続やガスの流入など様々な動作テストを行った後に、地下100mの実験ホールに移され、直径約25mの円盤状に組み上げました(図4)。

sector.jpgBigWheel.jpg
図3. 12分の1セクター図4. 円盤状に組み上げられたTGCシステム

Last-modified: 2010-04-30 (金) 23:50:26 (2782d)