名古屋大学N研 LHC-ATLAS実験グループのホームページ

名古屋大学N研LHC-ATLAS実験グループは、新しい”素粒子”と”素粒子現象”の発見を目指し研究を進めているN研究室のサブグループです。我々はスイスのCERN研究所にある、世界最高エネルギー加速器素粒子実験・LHC-ATLAS実験に参加しています。2009年に開始した物理データ測定に現在にわたるまで継続的に貢献し、それらデータを使った物理解析や検出器性能評価にいたるまで幅広い研究を展開しています。N研は検出器の建設と物理解析の両面から2012年のヒッグス粒子の発見に貢献しました。さらにLHCの将来計画である高輝度LHC実現に向けた研究にも力を注いでいます。

掲示板

一般公開の講演会等の情報を掲示します。

掲示板アーカイブ (2011年度)

What's new

研究成果・LHC の運転状況等の最新情報をお知らせします。

2016年11月11日 : 重心系7及び8 TeVでのトップクォーク対微分生成断面積測定の論文がPRDにアクセプトされました。

Differential paper

LHC-ATLAS実験の2011年及び2012年のデータを解析して得られた、トップクォーク対微分生成断面積測定の学術論文がPhys. Rev. D誌にアクセプトされました。 本論文における8TeV解析結果には、名古屋大学の川出健太郎研究員と卒業生の山内克弥君が中心な貢献を果たしました。

図はトップクォーク対の力学変数の関数として測定した微分生成断面積を示します。 様々な種類のモンテカルロ予測と比較することで、理論計算の細かなチューニングに有用な情報を与えることが出来ます。

Phys. Rev. D 94, 092003,(2016)

2016年11月1日 : 10月27日に、2016年の陽子衝突実験データの測定が完了しました。今年はLHC加速器の調子がよく、ATLASでは想定以上のデータを取得することができました。

2016 Integrated luminosity

図は、LHCから供給された積分ルミノシティとATLASで測定できた積分ルミノシティの時間経過を示す図です。ATLASでは約36/fbの積分ルミノシティに相当するデータを取得することができました。これは2015年の10倍に相当し、様々な物理結果が期待されます。

2016年4月24日 : 先月から稼働し始めたLHCから、2016年初めてのStable beamが発行されました。図は我々の参加するLHC-ATLAS実験での今年度初のStable beamイベントになります。

2016 First 6.5TeV beam

図は2016年4月24日のにATLAS測定器により測定された実際のイベントです。ATLAS測定器の断面を切った図で、たくさんの荷電粒子を捉えていることが見て取れます。

2016年3月26日 : 今年も無事LHCが稼働し始め、順調にビームを6.5TeVまで加速させることを成功しました。今年は本格的な物理ランが開始し、たくさんの物理結果が期待される年です。

2016 First 6.5TeV beam

図は2016年3月26日のLHCの運転状況を示す図で、実際にビームを入射し、450GeVから6.5TeVへの加速に成功していることが分かります。

2015年11月04日 : 今年の13TeV陽子・陽子衝突が終了し、ATLAS実験では約4.0fb-1のデータを取得しました。引き続き5TeVでのHeavy ion runが行われます。

ATLAS lumi

図は2015年にLHC-ATLAS実験で測定された陽子衝突での積分ルミノシティ(総データ取得統計量)の時間推移です。

2015年9月18日 : 9/14-18に開催された、Top2015会議にて、13TeV陽子・陽子衝突におけるトップクォーク対生成断面積の結果が公表されました。

Top2015

図はATLAS-CMS両実験によって測定された、重心系エネルギー7、8、13TeVそれぞれのエネルギーでのトップクォーク対生成断面積と理論計算による予想を示します。異なる終状態に対して独立に解析が行われ、誤差の範囲で標準理論と無矛盾な結果を得ました。

2015年5月21日 : 13TeV衝突のイベントを観測しました。

First collisions

2015年4月11日 : LHCの修理が完了し、陽子を6.5TeVまで加速させることに成功しました

2013年10月8日 : 2013年ノーベル物理学賞がF. Englert博士とP. W. Higgs博士に授与されることが発表されました

受賞理由:素粒子の質量の起源の理解に貢献する理論的発見をし、CERNのLHCにおけるATLAS/CMS実験で、その理論で予言された素粒子の発見による裏付けが得られたこと。

HiggsDisplay

今回のノーベル賞受賞に深く関わっているATLAS実験は、スイス・ジュネーブ近郊の欧州原子核研究機構でおよそ3000人の研究者によって遂行され、素粒子を検出するための巨大なATLAS検出器(25m x 44m x 25m)が建設されました。名古屋大学はその中でも特にミューオントリガー検出器の建設と運転に大きく貢献しています。

ATLAS実験では、ヒッグス粒子発見が大きな目標の1つでした。2011年12月に、ヒッグス粒子と目される新粒子が存在する予兆(3.5σ)を捉えました。続く2012年7月に、新粒子を99.9999%以上(5.9σ)の確度で発見しました。そしてとうとう、今年3月に、それまでの約2.5倍の実験データを用いてこの新粒子の性質を調べたところ、ヒッグス粒子である事を強く示唆する結果を得ました。

最新の測定結果は、質量125.5±0.2+0.5-0.6 GeV/c2、標準模型に対する信号の強さ1.33±0.14±0.15、スピン‐パリティ0+(0-, 1+, 1-, 2+である可能性は97.8%の確度で棄却)を示唆しています。また、フェルミ粒子との結合も間接的に99.9999%以上の確度で確認されており、ボソン粒子を媒介した反応も99.9%(3.3σ)の確度で観測されています。

2013年3月15日 : ヒッグス粒子探索の最新結果

名古屋大学が参加しているATLAS実験 と、同じく LHC 加速器を用いた CMS 実験は、昨年 7月に発見を発表した粒子の詳細な検証を進めてきました。そして、新粒子の量子力学的性質(スピン、パリティー)が予言されているヒッグス粒子のそれと一致することが十分に確認できたことから、これまでの本粒子と他の粒子との相互作用の研究結果と総合し、14日にモリオン国際会議にて「新粒子がヒッグス粒子であることを強く示唆している。」と発表しました。今後はさらに精密な検証をおこない、このヒッグス粒子が素粒子標準模型のヒッグス粒子かどうかの検証を進めていきます。

今年から LHC 加速器は二年のメンテナンス期間に入り、 2015 年からは 陽子衝突エネルギーをこれまでの 8 TeV から 13 TeV あるいは 14 TeV にまで引き上げた実験を開始します。N研究室はこれまで ATLAS 検出器の運転と物理解析とを進めてきており、さらに ATLAS 検出器をアップグレードプロジェクトにも携わっています。今後も、ATLAS 実験/N研究室からのヒッグス粒子や素粒子標準模型を越えた新物理探索の研究結果にご注目ください。

プレスリリース(英語・日本語)

2013年1月24日 : 奥村恭幸氏が2012 ATLAS Thesis Awardsを受賞

ATLAS collaboration においてこの1年間に出版された多数の博士論文の中から、昨年3月にN研を卒業された奥村恭幸さん(現シカゴ大学研究員)の博士学位論文

"The top-quark pair-production cross-section measurement in the dilepton final states at proton-proton collisions with √s=7 TeV"

が、見事2012年のATLAS Thesis Awardに選ばれました。

2012年12月28日:「ヒッグス粒子の見つけ方! 質量の起源を追う」発売中

戸本准教授が著者の1人の本「ヒッグス粒子の見つけ方! 質量の起源を追う」が出版されました。

2012年10月12日 :奥村恭幸氏が高エネルギー研究者会議奨励賞を受賞

今年3月に卒業した奥村恭幸氏(現、米国シカゴ大学 研究員)の博士論文“The top-quark pair-production cross-section measurement in the dilepton final states at proton-proton collisions with √s=7 TeV”が2012年度高エネルギー研究者会議奨励賞を受賞しました!!

2012年7月2日 : ヒッグス粒子と思われる新粒子を発見!

2012年7月4日、CERNのLHC実験の二つの実験グループ(ATLAS実験とCMS実験は)、ヒッグス粒子探索に関する最新結果を発表しました。両実験ともに 質量125GeV - 126 GeV 付近に新粒子を観測したと発表しました。 解説記事は こちら からご覧になれます。

2012年5月14日 : トップクォーク崩壊事象中におけるWボゾンの偏極度測定結果の公表

ATLAS 実験グループは、 博士課程の長谷川君が中心に進めてきたトップクォーク崩壊事象中におけるWボゾンの偏極度の測定結果を"Measurement of the W boson polarization in top quark decays with the ATLAS detector"と題して公表し、またJHEPに投稿しました。-> JHEP に受理されました。

2012年5月9日 : トップクォーク対生成断面積測定の論文が arXiv に掲載されました

N研究室では、LHC-ATLAS実験が2011年に取得したデータを元に、終状態にタウ粒子を含む崩壊過程を用いたトップクォーク対生成反応断面積の測定を進めてきました。本研究は博士課程学生の高橋君を中心にまとめられ、5月9日にPhysics Letter. B に提出されました。提出論文は、Measurement of the top quark pair production cross section with ATLAS in pp collisions at √s = 7 TeV using final states with an electron or a muon and a hadronically decaying lepton でご覧になれます。 この研究に関する解説は、こちら をご覧ください。

2012年4月15日:2012年の陽子・陽子衝突の様子

2012年のイベントディスプレイ

2012年も、続々と新しいデータが取れ始めています。 右に載せたイベントディスプレイは2012年4月15日に取得したものです。衝突点でZボソンが生成され、それが2つのミュー粒子(左上図の2本の黄色い線)に崩壊する様子を表したものです。単純で綺麗な信号を残す事から、一昔前までは素粒子に対する我々の理解を図る試金石として用いられて来た事象です。

ここで下の枠に描かれた絵を見てください。よく見るとZボソンが生成したと見られる衝突点(左から4つ目)以外にも、合計して25個の衝突点があることがわかります。10^11個(1000億個)の陽子同士をぶつけているため、同時に複数回の衝突が起こるのです。 このような複雑な事象の中から欲しい物理事象を見つける、まさに物理屋としての職人芸が要求されるわけですね。

LHC-ATLAS実験は、2012年度のデータ収集を開始しました!!

ルミノシティー

衝突エネルギー8TeVの陽子陽子衝突データの収集を開始しました。ルミノシティーも順調に上がってきています。2012年のデータ解析によって、ヒッグス粒子の発見が期待されています。

トップクォーク対生成断面積測定の論文が PLB にアクセプトされました

論文表紙

LHC ATLAS 実験の 2010 年のデータを解析して得られた結果であるトップクォーク対生成反応断面積測定の学術論文が Physics Letter B にアクセプトされました. 本測定に対して名古屋大学は博士課程学生の奥村恭幸君を中心に貢献しています.

Phys. Lett. B 707 (2012) 459–477

奥村恭幸君博士論文公聴会

下記の要領で、奥村恭幸君の博士学位申請のための公聴会が開催されました。LHC-ATLAS 実験でのトップクォーク対生成断面積測定の研究について発表し、学位審査に無事合格をしました。おめでとう ! 名古屋大学 LHC-ATLAS チームの初の博士号取得者です。

What's new アーカイブ (2011年度)

What's new アーカイブ (2010年度)

LHC-ATLAS 実験 イベントディスプレイ ギャラリー

LHC-ATLAS 実験のイベントディスプレイを簡単な解説とともにご覧いただけます。こちら

構成メンバー

現在の構成メンバー

ATLASグループメンバー (ATLAS Control Building にて)
ATLASグループメンバー (名古屋大学にて)
  • 戸本 誠(准教授)
  • 中浜 優 (KMI 准教授)
  • 堀井 泰之 (助教)
  • 小野木 宏太(博士3年)
  • 佐野 祐太(博士2年)
  • 水越 健太(博士1年)
  • 宿谷 琴子(博士1年)
  • 川口 智美(修士2年)

今のグループを過去に支えてくれたメンバー

LHC-ATLAS実験が目指す物理

  LHC-ATLAS実験は、スイス・ジュネーブ近郊のCERN (下左図)にて、2009年から本格始動した大型加速器を用いた素粒子実験です。周長27キロメートルにも及ぶ巨大LHC加速器(下右図)は、7兆電子ボルト(7テラ電子ボルト=7TeV、1電子ボルトは電子を1ボルトの電場で加速したときのエネルギー)にまで加速した陽子を衝突させ、宇宙誕生後わずか10-12秒足らずの世界を人工的に作り出します。そして、ATLAS実験で物質の構成要素である素粒子の世界と、その素粒子達が支配していた宇宙初期の世界をとことん追求します。人類の永遠の課題である、重力、電磁気力、強い力、弱い力の4種の力の統一への扉を開こうと、ヒッグス粒子、超対称性粒子、ミニブラックホールなどの新しい素粒子、素粒子現象の発見を目指し、さらには、暗黒物質の正体を暴こうとしています。

CERN
LHC加速器

  私たち、名古屋大学グループは、2006年4月からLHC-ATLAS実験に本格的に参加しています。20世紀に誕生、完成した「標準模型」を超える、新たな素粒子像を構築することを目標に、我々はLHC-ATLAS実験における研究に没頭し、楽しんでいます。2009年から実験は本格的に始動し、現在、順調にデータを蓄積し続けています。名古屋大学グループは、実験立ち上げの検出器建設、運転時期からATLASグループ内で存在感を示し、そして今、実験初期の物理データにより、最も重い素粒子であるトップ・クォーク物理の研究を進めています。そして、物理データの増加に伴い、ヒッグス粒子、超対称性粒子物理へと研究を発展させていこうと考えています。

テーマ別LHC-ATLAS研究

博士論文集

奥村恭幸 (2011年度)

The top-quark pair-production cross-section measurement in the dilepton final states at proton-proton collisions with √s = 7 TeV

高橋悠太 (2012年度)

Measurement of the top-quark pair production cross-section in pp collisions at √s=7 TeV using final states with an electron or a muon and a hadronically decaying τ-lepton

長谷川慧 (2012年度)

Measurement of the W boson polarization in top quark decays using the di-lepton final state of the top quark pair in pp collisions with √s = 7 TeV

Morvaj, Ljiljana (2015年度)

Search for Minimal Universal Extra Dimensions in the final state involving muons, jets and missing transverse energy in √s = 8 TeV pp collisions with the ATLAS detector


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Last-modified: 2017-04-11 (火) 19:26:22 (249d)