タウ・レプトン物理研究センター セミナー・コロキウム

日時:2009年12月25日(木) 15時00分
場所:B4講義室

講師:杉本 拓也 氏 (N研)

題目:ついに動き始めたLHC-ATLAS実験

概要:
本年11月23日、LHC加速器(CERN, スイス)は、14年間の建設期間を経て、 重心系エネルギー900GeVでの初の陽子・陽子衝突をついに成功させた。 その後、30日には世界最高エネルギーとなる1.18TeVでの陽子加速を実現した。 2009年末にはいよいよ、世界最高重心系エネルギー2.4TeVの陽子・陽子衝突を 開始する。ようやく新しい時代への扉が開いた。 私はこれまで、LHC-ATLAS検出器を用いて、質量起源の謎を解明するために 必要不可欠であるヒッグス粒子や、超対称性粒子を始めとする新しい物理探索を 目指して、ミュー粒子に着目した研究を進めてきた。ミュー粒子は強い相互 作用をしないので、陽子・陽子衝突時の膨大なQCD背景事象を強力に抑制 しながら、未知なる素粒子を効率的に捉えるのに適している。 我々が構築したミュー粒子検出器は、40MHzの頻度で交差する陽子が衝突した 事象の中から、高運動量のミュー粒子を確実に検出する多線式比例係数箱と、 その通過位置と運動量から、2.5マイクロ秒以内でその事象を記録するかを 判断する回路系から成る。本セミナーではATLAS実験で期待される物理と、 初の陽子衝突事象を用いたATLAS実験の最新結果について報告する。

名古屋大学 タウ・レプトン物理研究センター

Nagoya University Tau-Lepton Physics Research Center

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