発表順が決定しました。
発表時間は1人20分(+質疑応答5分程度)です。
中野浩至 (東北大 M2)
概要
KEKB-factoryのアップグレード計画において、衝突点付近でのビーム粒子によるバックグラウンドは重要な検討項目である。本講演では、ビームバックグラウンドの発生原理と、シミュレーション研究について発表する。
志知秀治 (名古屋大 M2)
概要
2020年にLHCはルミノシティを現在の50倍程度にするSLHCへのアップグレードを予定している。その際現在の測定器系もその粒子到来頻度の増加に対応しなければならない。我々はLHC-ATLAS実験の中でもThin Gap Chamber(TGC)と呼ばれるトリガー用飛跡検出器を開発している。中でも私はその読み出し回路系の中で、Patch Panelと呼ばれる信号遅延のためのASICを新しいプロセスで制作している。新しいプロセスでの作成は、SLHCになり増加すると考えられる放射線に対する耐性が増加することが期待される。今回はその回路構成と回路シミュレーションの結果について発表する。
根岸健太郎 (東北大 M1)
概要
カビボの行列理論と小林・益川理論のCKM行列からCPの非保存が理論的に説明できる事が解った。
そこで、私はCPの破れを観測するために、Bellでの、B→DK*崩壊によって、Standard Modelのパラメータ、CP非保存角phi3の精密測定をしている。
本講演では自分の行ってきた解析の結果を発表する。 BelleはLuminosityがワールドレコードを更新し、かつ現在はアップグレード計画も立っているので、かつて無い精度での測定を可能にしてくれるかもしれない。
有田義宣 (名古屋大 M2)
概要
私たちは2014年開始予定のBelleII実験の検出器アップグレードに向けて、新型粒子識別装置TOPカウンターの開発を行っている。TOPカウンターの識別能力は光検出器の時間分解能と量子効率(検出光子数)に強く依存するが、光検出器MCP-PMTの量子効率はその出力電荷量にしたがって減衰していくことが分かっている。
本講演では、TOPカウンターの原理と開発の現状について話し、特に光検出器MCP-PMTのQE劣化による寿命問題に関する研究について発表する。
釜井大輔 (東北大 M1)
概要
FPCCD(Fine Pixel CCD)はピクセル・サイズが5um角というこれまでにない高精細なCCDであり、我々は国際リニアコライダーにおいてFPCCDを崩壊点検出器に用いるために開発を進めている。
FPCCD崩壊点検出器を実現するためにはセンサー部分の開発とともにソフトウェアの開発が必須となる。
本講演ではFPCCDのためのソフトウェアの開発について報告する。
加藤恵里子 (東北大 M1)
概要
リトルヒッグス模型は標準理論を越える新物理の有力な候補として注目されている。
リトルヒッグス模型ではゲージボソンのパートナーとして重いゲージボゾンが現れる。
それらの質量は対称性の破れに関わる真空期待値などの模型に関わる情報を持っており、新物理を特定する上で重いゲージボソンの観測は非常に重要となる。
本講演では国際リニアコライダーにおける重いゲージボソンの観測精度について報告する。
齋藤智之 (東北大 M2)
概要
我々は国際リニアコライダー(ILC)計画のためにFPCCD(Fine Pixel CCD)を用いた崩
壊点検出器の開発を行っている。 FPCCDはチャンネルあたりのピクセル数が膨大であ
るため専用の読み出しシステムが必要となる。我々はFPCCDのための読み出し回路の
プロトタイプを開発し、読み出し試験を行っている。本講演では読み出しシステムと
その試験について講演する。
小野善将 (東北大 M1)
概要
SOI検出器、センサーと読み出し回路が一体となったモノリシック検出器は、他のモノリシック検出器と比較してラッチアップ耐性、高速性、低消費電力などが優れた非常に理想的な半導体検出器です。
しかしながら放射線耐性として、total ionizing dose効果には耐性が十分でないという課題があります。
その改善のために、私はX線照射時にBPWに負電圧を加えることで、X線損傷の軽減に成功しました。
奈良女子大 村上潤 (奈良女子大 M1)
概要
KEK Bファクトリー実験のアップグレードに伴い、エンドキャップ部の
電磁カロリメーターには、パイルアップによる性能低下を避けるため、
CsI(Tl)に換えて発光時間が短い結晶シンチレーターの導入を検討している。
BSOという新型無機結晶シンチレーターは、純CsIと同程度の発光量があり、
発光の減衰時間が100nsと短く、近年では長さ20cmにおよぶ比較的大型の
結晶が育成可能となった。このBSOシンチレーターの発光量とその一様性を
光電子増倍管で測定した結果について報告する。
今村美貴 (名古屋大学 M2)
概要
私はBellⅡ実験へ向けて、粒子識別装置エアロジェルRICH検出器の開発を行 っている。 優れた位置分解能や磁場中においても一光子検出能力を有するHybrid Avalanche Photo Detectorは、エアロジェルRICH検出器での使用が見込まれる。 実装へ向け、今年1月と6月に原子炉を用いた中性子照射試験を行った。これによりHAPDの半導体部分であるAPDのノイズの増加量を検証し、最適なAPDを考察した結果について発表する。