計画研究D01・平成23年度の研究の進捗と成果


(図1)MCP-PMTのテストベンチ。1光子状態のレーザーをMCP-PMTに照射し、MCP-PMTのゲインや時間分解能、印加電圧依存性を全自動で測定できる。 (図2)FNALでのTOPカウンタービームテストの様子。TOPカウンター、ビームモニターをインストールしたビームラインにて。

平成23年度においては、特に、名古屋大学において独自開発を進めている次世代粒子識別装置である「TOP Counter」の高輝度Bファクトリー実験への実装に向けて、実機用マイクロチャンネル内蔵型光電子増倍管(MCP-PMT)のテストベンチを整備し、1年以内に全数(約500本)のMCP-PMTを検査できる体制を整え、実際に初期量産品20本の性能検査を行った。また、新たに試作したASICを用いたエレクトロニクスの開発を行い、テストパルス、MCP-PMT信号の読み出し試験を行った。さらに、このMCP-PMTと読み出しシステムを搭載したTOPカウンターの実機プロトタイプのビームテストを米国FNAL研究所において行った。Belle II 検出器のエンドキャプ部に設置される「エアロジェルRICH」検出器用のHAPD光検出器についても、コバルト照射施設を使用した耐放射線試験を繰り返し、放射線耐性を向上することができた。また、Bファクトリーのみならず将来の高輝度実験に有用となる高速データリンクの開発を行った。TOPカウンターのLEPS実験への応用についても検討を行った。

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Last updated 2014 Aug. 22nd