計画研究A01・平成24年度の研究の進捗と成果


(図1)Υ(5S) ↠ Υ(2S)π0π0におけるΥ(2S)π0不変質量分布。質量10610MeVの共鳴粒子が確認できる。 (図2)B±→χc1γK±崩壊におけるχc1γ不変質量分布。質量3823MeVにψ2(1D)粒子と考えられるピークを発見した。

本年度は、奈良女子大学では、引き続き研究員を雇用し、これまでに導入した専用のデータ解析用計算サーバーやディスクアレイシステムの活用および環境の整備・推進に努めるとともに、物理解析を進めた。一方、KEKでは引き続き研究員を雇用することにより解析の促進に努めた。
解析の成果として、昨年度に発見した荷電をもちボトムクォーク対を含むエキゾチックハドロンZb(10610)とZb(10650)の研究をさらに進め、Zb(10610)→B*BおよびZb(10650)→B*B*への崩壊を発見し、これらの共鳴粒子がB中間子の束縛分子状態である可能性が高まった。 また、Υ(5S)→Υ(nS)π0π0 (n=2,3) 崩壊過程でZb(10610)の中性パートナーの共鳴粒子を発見し、系統的な理解が深まった。さらにhb粒子の輻射崩壊でηb(2S)粒子やχc1γに崩壊するψ2(1D)粒子を発見した。

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Last updated 2014 Aug. 21st