計画研究B01・平成25年度の研究の進捗と成果


(図1)p(γ,K+)X反応の欠損質量スペクトル。横軸1.4GeV/c2付近のピークが終状態によって異なる。 (図2)LEPS2実験用に開発されたResistive Plate Chamber。高い時間分解能50psを達成した。

今年度の成果は以下のとおりである。
  1. γd → K-K+X反応について、Θ生成に関与しない、重水素(d)中の陽子(p)と反応した事象を効率よく除去できるよう装置を改良してデータ収集を継続した。
  2. γp → K+X反応の高統計データの解析が終了し、Λ(1405)の生成スペクトルを得た。過去のCH2標的を用いた測定結果と矛盾がないことがより高い統計で確認された。とくに、Λ(1405)の崩壊先の荷電状態で生成強度が異なること(図1)や、γ線エネルギー(Eγ)が2 GeV以下の生成閾値近傍の領域ではそれよりEγが高い2.4 GeVまでの領域より生成率が高いことが再確認された。今回新たにEγが2.4 GeV以上の領域で生成率が高くなるという特徴が明らかになった。
  3. LEPS2実験施設においてγ線検出器とTOF検出器による実験が継続して行われた。LEPSおよびLEPS2の光子ビーム増強や高速タイミング検出器開発(図2)の成果を論文にまとめて公表した。
  4. J-PARCにおけるK中間子ビームを用いたΛ(1405)分光実験の準備が整い、実験がスケジュールされた。また、ハドロンビームを用いたハドロン物理の新しい研究展開を実現した。

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Last updated 2014 Aug. 21st