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発表

児島一輝さんが国際会議Lepton Photon 2023にて研究成果を報告しました

7/17(月)から7/21(金)にかけてオーストラリアのメルボルンで開催された国際会議 The 31st International Symposium on Lepton Photon Interactions at High Energies (Lepton Photon 2023)にて、博士後期課程の児島一輝さんが口頭発表を行いました。 本会議は2年ごとに開催されている素粒子物理学分野の主要な国際会議シリーズの1つです。 素粒子物理学分野で注目されているトピックを幅広く含み、現在行われている実験の最新結果や、将来実験に向けた研究開発をはじめとして、理論研究の進展状況、分野のインクルージョン・多様性などの発表がありました。 児島さんは、フレーバー物理のセッションでBelle II実験におけるセミレプトニック崩壊の測定結果を報告しました。 発表内容は以下からご覧いただけます。

本報告では、セミレプトニック崩壊の分岐比を用いたレプトンフレーバー普遍性の検証について、児島さんが主要な貢献をしたBelle II実験最初のR(D*)測定の結果が公表されました。 R(D)-R(D*)の実験値の世界平均にはこれまで素粒子標準模型の予想に対して3σを超える乖離が観測されていました。 標準模型を超える新物理によりこの乖離が生じている可能性があり、新たな測定による検証が求められていました。 今回公表されたBelle IIの測定結果を加えてその世界平均を更新したところ、なお3σを超える乖離が存在することが報告されました。 R(D)-R(D*)実験値の最新の世界平均についてはHeavy Flavor Average Groupのページをご参照ください。

最後に児島さんのコメントを以下に紹介します。

R(D*)測定は標準模型の予想からのずれが見えている観測量にアプローチするもので、新物理探索としても重要な意味があります。 その検証に対し、Belle II実験から初となる測定結果を公表することができ、大変嬉しく思います。 同時に、この解析を進める上で背景事象の制御や系統誤差の評価など多くの困難があり、それはこの国際会議の直前まで続いたため、無事に発表でき安堵もしています。 今後、私たちの実験では、今回の解析をさらに発展させるとともにBelle II実験の飛躍的に向上するルミノシティのデータを使用することで、更なる精密検証を目指していきます。

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