昨年度N研で博士号を取得した林田翔太さんが主解析者として貢献した論文「Search for nonresonant pair production of Higgs bosons in the \(b\bar{b}b\bar{b}\) final state in \(pp\) collisions at \(\sqrt{s} = 13\ \mathrm{TeV}\) with the ATLAS detector」がPhysical Review D誌に掲載されました。

本研究では、非共鳴ヒッグス対生成事象に初めて着目し、ATLAS実験における\(b\bar{b}b\bar{b}\)終状態を用いてヒッグス対生成事象の探索を行いました。非共鳴ヒッグス対生成事象に最適化した事象選別や背景事象推定方法を専用に開発し、非共鳴ヒッグス対生成事象の発見には至りませんでしたが、ヒッグス対生成事象の生成断面積の上限およびヒッグス自己結合定数に対する制限を大きく向上しました。林田さんは、主解析者として信号事象・背景事象比に応じた事象カテゴリーの設定による探索感度の向上や新しく導入した背景事象推定手法の検証を実現し、本研究の結果導出を主導しました。 詳細は以下の掲載論文をご覧ください。

論文情報:
G. Aad et al. (The ATLAS Collaboration), "Search for nonresonant pair production of Higgs bosons in the \(b\bar{b}b\bar{b}\) final state in \(pp\) collisions at \(\sqrt{s} = 13\ \mathrm{TeV}\) with the ATLAS detector"
[Phys. Rev. D, 108, 052003 (2023). DOI:10.1103/PhysRevD.108.052003]