理論班計画研究ではいくつかのアプローチでハドロン動力学の解明にあたっています。これまでの主要な成果のうち、以下の3点を紹介します。
|
- 重いクォークを含んだエキゾチック粒子
重いクーク対称性とカイラル対称性が相まって、パイ中間子交換による強い引力が生じる結果、重い中間子と核子の系で分子的な共鳴状態の存在が理論的に予言された。
|
束縛状態の性質
 |
反D中間子と核子散乱の位相差
 |
- クォーク・グルーオン物質の動力学
クォーク・グルーオン系のクォーク電荷の輸送係数を線形応答理論を超えた領域において初めて計算した。AdS/CFT対応を用いて従来手法の困難を克服しすることができた。arXiv:1006.4105[hep-th], PTP in press
|
 |
- 物質中のハドロン
カラーSU(2)QCDによって有限密度中でベクトル中間子の質量を計算した(左図)。さらに2カラーに特有なqqバリオンの性質も調べ、対称性の回復との関係を明らかにした(右図)。Phys.Rev.D81, 096003 (2010)より引用。
|
 |