文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究:多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究

研究領域

総括班:多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究

総括班としての本計画研究の目的は、領域内で行われる計画研究の遂行を助けるとともに、計画研究間や公募研究との相互作用を促進し有機的な連携を積極的に推し進めることにある。例えば、計画研究A01から得られるc, bクォークを含む4クォーク状態に関する結果と計画研究B01のsクォークを含む5クォーク状態に関する結果を理論的に統一的に解釈したり、逆に理論的な予言を実験的に確かめることにより、見つかったエキゾチック状態の理解を進めることが可能となる。さらに計画研究C01との連携を合わせることにより、クォークとグルーオンからハドロンが生成され質量を獲得する動的機構の解明が可能となる。また、実験計画研究間では共通する技術的課題があり、連携を強化するメリットは大きい。

具体的な取り組みとしては、領域研究会、総括班会議といった議論の場を設けるとともに、核物理研究者のBelleデータ解析への参加を積極的に進め、Belle実験の解析ソフトウェアに関する講習会などの支援事業を進める。また、検出器開発研究においても、計画研究D01における組織的な検出器開発に加えて、分野横断的な検出器ワークショップを開催し、計画研究間の技術交流を図る。また領域の研究で得られた成果・情報を発信するとともに、素粒子・原子核の境界領域で活躍できる若手研究者を育成する。その観点からは、ホームページを活用した研究成果の積極的な発信、啓蒙活動の推進、若手スクールの開催などの事業を展開する。そして、新しいハドロンの存在形態に関する国際会議を主催する(図参照)。

こうした取り組みによって、領域としての研究成果を最大限に引き上げるとともに、素粒子・原子核の境界領域に新しい研究領域を創設することを目指す。

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