文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究:多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存在形態の包括的研究

Bファクトリー

計画研究 A01: Bファクトリー実験におけるエキゾチックハドロンの研究

研究概要

本研究では世界最高輝度を誇る高エネルギー加速器研究機構(略称KEK)の電子・陽電子衝突型加速器におけるBファクトリー実験(Belle実験)で蓄積された高統計データを解析し、新たなエキゾチックハドロンの探索とその性質の体系的な解明を中心とした新しい観点でのハドロン物理解析を展開する

Belle実験は、B中間子におけるCP対称性の破れを世界で初めて確証し2008年の小林・益川両氏のノーベル物理学賞受賞に大きく貢献した。それにとどまらず、エキゾチックメソン(テトラクォーク)の候補X(3872)を世界で初めて発見し、Bファクトリーのデータがハドロン物理の新しい領域を拓くことを示し世界中の注目を浴びた。エキゾチックメソン候補は、その後もB中間子崩壊および電子・陽電子衝突過程などに見いだされ、電荷を持つZ(4430)+の発見により確定的なものとなった。このように、Belle実験は、重いフレーバーのエキゾチックメソンの研究でも世界をリードしてきた。すでに蓄積された膨大なデータにはさらに多くの未発見のエキゾチックハドロンや新しいハドロン状態の性質の解明につながる反応が潜んでおり、原子核分野の研究者もすでに新たに実験に参加し新しい観点で解析を始めている。本研究では、今までこれらの解析に携わってきた研究者の経験を生かし、さらに新たな研究者とともに理論研究者と連携し、蓄積されたデータを最大限に有効に生かし効率的に解析を進めるものである。重いフレーバーのメソンを主とするが、軽いフレーバーやバリオンなどの研究も積極的に進める。

研究項目

  1. B中間子崩壊でのチャーモニウム・チャーム中間子を伴うエキゾチックハドロンの研究
  2. B中間子崩壊でのバリオン・反バリオン・中間子への崩壊を用いたペンタクオーク探索
  3. 電子・陽電子衝突反応におけるエキゾチックハドロンの探索・測定
  4. 光子・光子衝突反応におけるエキゾチックハドロンの探索・測定
  5. Υ(1S)からΥ(6S)共鳴励起状態のエネルギー領域でのエキゾチックハドロンの探索・測定
  6. 検出器をターゲットとする固定標的実験手法によるエキゾチックハドロンの探索・測定

※公募研究では上記にとらわれずハドロン物理に関連する幅広い研究を歓迎します。

研究組織

研究の進捗状況と成果

平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度

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