研究内容と成果 |
- タウ・レプトン物理部門の研究
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Research Highlight |
2010年3月
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2009年11月23日 : LHC-ATLAS 実験・重心系エネルギー900GeVでのビーム衝突に成功!![LHC物理部門より]
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2009年11月予定のLHC加速器開始に向けて[LHC物理部門より]昨年9月の陽子ビーム周回に成功後1週間後の9月23日、LHC加速器のトンネル内で事故が発生しました。 加速器の2つの超伝導磁石間の電気的接続部で電気抵抗が増加し発熱し放電したことが引き金となり、その結果、 超伝導磁石を摂氏マイナス271度にまで冷却するのに必要な液体ヘリウムが真空容器に漏れ出し気化し圧力が急上昇しました。 これまでに、53台の磁石を地上に取り出し修理を行い、さらに、同様の事故を他でも起さないよう、様々な 検出装置を設置するなどの改善を行っています。そして、11月からLHC加速器の運転再開し、年内にでも 3.5TeV+3.5TeVの陽子・陽子衝突を実施する予定です。実現すれば、世界最高エネルギーとなり、新しい素粒子開拓 への第一歩をふみだすことになります。その後、エネルギーを増加していき、2010年末にLHC加速器を止め、 設計値である7TeV+7TeV衝突エネルギーに向けたを作業を開始する予定です。 LHC加速器の正式なスタートアップスケジュール私達は、この期間を有効に利用し、宇宙線を用いてμ粒子検出器の最終的な仕上を行っています。 検出器は非常に良い状態にまで仕上がってきており、研究員の杉本拓也君や博士後期課程の長谷川慧君を中心に大型検出器の周りを 縦横無尽に走りまわりながら最終的なハード調整を実施しています。 さらに、検出器の性能で最も重要な検出効率が設計目標値に届いていることなどをデータで立証するなどの活躍をしています。 そして、こうした実績を世に発信するべく、N研究室の博士後期課程学生である高橋悠太君が10月5日から9日に行われた ICATPP(International Conferenceon Advanced Technology and Particle Physics )国際会議でその研究成果を発表するなど、非常に活発な研究活動を展開している真最中です。高橋君の発表の様子はこちらでご覧いただけます(注意:容量の大きなファイルです)。 さらに、私たち名古屋大学チームでは、博士後期課程学生である奥村恭幸君を中心にトップクォーク物理などの物理解析を開始しはじめ、 ビーム衝突に向けた研究をも視野に入れはじめています。今は、シミュレーション解析が主ですが、世界最高エネルギー衝突が起ったら どんどん物理解析も進めていきます。 |
![]() 名古屋大学 タウ・レプトン物理研究センターNagoya University Tau-Lepton Physics Research Center
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