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研究内容

計算機

図1:N研コンピュータシステム

素粒子実験において、加速器・検出器と並んで重要な役割を果たすのが“コンピュータ”です。大量に収集された実験データはコンピュータのストレージに保存され、CPUによって検出器の生の情報から実際に起こった素粒子現象が再構成されます。また、物理量の測定のためには、大量のシミュレーションデータが必要になります。取得したデータを素早く解析し、多くの物理結果を出すためには強力な計算機が必要不可欠です。N研では約3PBのストレージ(PB:一般的なハードディスクの容量であるTBの1000倍)、2000core以上のCPU資源を有しています。ディスクにはBelle実験で取得された全実験データとシミュレーションデータが保存されています。これらコンピュータはN研のメンバーと、国内外(ロシア、中国、東京大、奈良女子大等)の関連した研究を行っている共同研究者を結び、多くの物理解析や検出器のシミュレーション等のための重要な基盤となっています。

また、近年では、素粒子実験の大型化と共に、必要なコンピュータ資源が莫大になっています。N研が推進しているBelle II実験では、ストレージが数100PB、CPUが10万core以上も必要になります。このような巨大なコンピュータ資源を一か所に置いて運転することは現実的ではありません。そこで、世界中の大学・研究機関がコンピュータ資源を持ち寄り、それらをネットワークで繋いで1つの巨大なコンピュータ資源として用いる“分散コンピューティングシステム”を構築します。分散コンピューターシステムを実現するためには“国際協力”が必須です。そして、Belle II国際共同の強力な分散コンピューティングシステムを構築することで、素早く物理結果を出し、競合する実験との“国際競争”に打ち勝つことができます。N研所有の計算機の一部は、世界中のコンピュータと高速ネットワークによって繋がっています。私たちのコンピュータによって作られたシミュレーションデータが文字通り分散され、世界中の共同研究者によって解析されています。また、分散コンピューティングシステムを実現するためには、計算機資源を集めるだけではなく、高度なソフトウェアが必要となります。私たちは世界中の分散コンピュータが効率的に稼働しているか監視し、即座に問題箇所の修復にあたる制御システムの開発にも貢献しています。
N研コンピュータは大量の実験データに潜む未知の現象を発見すべく、日夜計算を実行しています。

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