中浜 優准教授 (KMI)が「素粒子標準理論を越えた新しい素粒子現象の解明」という業績で第2回日本物理学会 米沢富美子記念賞を受賞しました。本賞は、日本物理学会に所属する女性会員の物理学分野における活動を讃え、奨励するために設立された賞です。
中浜さんは、精密測定フロンティアの代表格であるBelle実験ではB中間子の中性カレント崩壊におけるCP非対称性測定による標準理論の精密検証を行い、標準理論と無矛盾であることを示しました。また、エネルギーフロンティアであるLHC-ATLAS実験では解析責任者として超対称性粒子の包括的探索による数多くの超対称性理論や暗黒物質のモデルの棄却を成し遂げました。さらに、膨大なデータの中から新粒子の信号を探すためのデータ取得システム (トリガー)に関して、トリガー選別プロジェクトの責任者として2015年から2018年の運転期間のデータ取得に多大な貢献を果たしました。また、深層学習を用いた新しい解析手法によるヒッグス場の検証といった先駆的な取り組みも行っています。素粒子分野の将来計画策定にも積極的に参画する等、加速器実験研究者として今後も分野を牽引していくことが期待されます。
中浜さんのコメントを以下に紹介します。
この度は日本物理学会から名誉ある米沢富美子記念賞を頂き、大変光栄に思います。研究室・KMI はじめ これまで支えてくださった周囲の皆さまのおかげです。新しい物理の発見に向けて、引き続きエネルギーフロンティア加速器実験の研究に邁進します。基礎科学をどんどん極めると同時に、領域横断的研究にも積極的に取り組んでいきたいと思います。
中浜 優
中浜 優
受賞に関する公式記事はこちら(日本物理学会 webページ)をご覧ください。