都築識次さんが主著者としてまとめた論文「Search for lepton-flavor-violating τ decays into a lepton and a vector meson using the full Belle data sample」がJournal of High Energy Physics誌に掲載されました。
本研究では、素粒子標準模型のレプトンフレーバー保存則を破るような新しい事象を、10通りのタウレプトン崩壊について探索しました。
現在、標準模型からのズレが議論されるミューオンg-2測定やB中間子アノマリーに対して、いくつもの新物理モデルが提唱されていますが、もし本研究で新発見があれば、そのうちのレプトクォークモデル等が有力になります。
都築さんは事象選別条件を見直し、Belle実験の全データを解析することで、先行研究よりも探索領域を30%向上しました。
結果として発見には至りませんでしたが、新物理モデルに対して本論文が過去最も厳しい制限を与えました。
詳細は以下の掲載論文をご覧ください。
論文情報:
N.Tsuzuki, et al., "
Search for lepton-flavor-violating τ decays into a lepton and a vector meson using the full Belle data sample"
[J. High Energ. Phys. 2023, 118 (2023). DOI:https://doi.org/10.1007/JHEP06(2023)118]