2022年7月27日から8月5日まで、名古屋大学のコバルト60照射室にて、ATLAS実験で使用予定の電子回路の放射線耐性試験を行いました。
ATLAS実験では、2026年から2028年に、トリガー・読み出しシステムの大々的な改良を行い、その後10年ほどで現在の20倍のデータを取得する予定です。名古屋大学は、ATLAS日本グループの他の研究機関とともに、ミューオンを捉える検出器の電子回路の改良を担当しています。この電子回路は放射線環境下に置かれるため、相応の放射線耐性が求められます。今回は、電子回路の主要構成要素の一つであるSFP+光送受信器にガンマ線を照射し、電離損傷に対する耐性を評価しました。
試験の結果、SFP+光送受信器が要求を満たす耐性を持つことがわかりました。手法や結果の詳細は、9月に開かれる日本物理学会2022年秋季大会で公表予定です。
今回、初めての放射性耐性試験を自分主導で行わせていただきました。慣れないことが多く大変でしたが、参加メンバーの協力のおかげで、無事に終えることができました。ありがとうございました。
(博士前期課程1年 橋本 大輔)
(博士前期課程1年 橋本 大輔)
放射線を取り扱う責任の伴う作業の中で、目標達成に向けてみんなで実験に取り組むことはとても良いグループワークの経験になります。今回の照射試験でも、照射対象機器についての知識やその他多くの発見を得られて、充実した期間となりました。
(博士前期課程2年 鍋山 友希)
(博士前期課程2年 鍋山 友希)